ドンガリンゴP (Kinra) の ひみつきち です。
かってに はいっても いいですけど。

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Roamer with the Bell(5):創作者の風上にも置けないヤツ

どうも、台風の中で部屋ごと震えてるドンガリンゴPです。怖いです。震えてる部屋が。

今回は予告通り、「Roamer with the Bell」の編曲とミキシングの話をします。
ドンガリンゴPの一人作業なので、編曲とミキシングがごちゃ混ぜになってるけど、
ミキシングはめちゃくちゃすぎてもうなにをしたかすら思い出せないので、
この記事はやむなく編曲に重心を置いて話したいと思います。

※今回のプロジェクトネームは「rwb」なので、以下はRWBと呼びます。

最初から「ハードウェアの限界までチャレンジする」という目標で始めたんだが、
当時の自分の環境といえば、32bitのWindows 7で、RAMは4GBしか使えなかったわけで、
RWBで多用することになったEastWest系の音源(QLSO×2+Ra+Colossus)は、
最初は1台フル稼働させただけでメモリがパンパンになってもう何もできなくなる。
これを克服するために64bit OSに変えてメモリを8GBにしたけど、
やっぱり重い音源は編集が完了次第一旦バウンスして
(ソフト音源が鳴らす音声を書き出して音源をアンロードする。Cubaseではフリーズという機能で簡単に出来る)
CPUやRAMへの負担を減らしておかないと編曲が進めない。
今でも、完成したRWBのプロジェクトは全音源フリーズした状態です。いくつか解除できるけど、全部解除したらクラッシュする。
これでも膨大なエフェクターだけでメモリを4.04GBも使うんだから、4GB時代のパソコンでは不可能だったね。

Q:そもそも編曲が終われば全部書き出してオーディオだけで作業するべきでは?
A:ミキシング最終日でもコードを変えたい!


そしてドンガリンゴPは、「1フレーズを全パート完成してから次のフレーズを作る」スタイルなので、
音源を交互にフリーズ→解除→フリーズ→・・・という謎解きアクションゲームみたいな手順で編曲をしていく形になった。
結果は下図の有様でした。
Roamer with the Bell・プロジェクト画面
上の青い線がある部分は音源の音声出力チャンネル。
真ん中の何かがチラホラある部分がボーカルトラック。
下の部分は、結局音を出さなかったチャンネルと、ソフト音源に演奏データを送るMIDIトラック。
後者は編曲そのものだから一番大切なところだけど、CPUとメモリへの負担はほぼゼロなので暗くした。

メモリ制限を更なる難題にしたのは、RWBという曲のスタイルだった。
「吟遊詩人が唄った物語」という設定なので、雰囲気に沿って抑揚をつける曲になってて、
急ぐときはBPMが210をも超えるし、リタルダンドをかけるときは30をも下回る。しかも、1拍ごとにテンポが変わる。
Roamer with the Bell・テンポトラック
この抑揚の付け方と来たら、もはや「考えるな、感じるんだ」の域なので、
試行錯誤をしながら決めていかないとダメだし、
1パートだけ作ったときに体感で決めたテンポも、パートを加えて曲の厚みが増えたらまた印象が変わる。
そして既に編曲をしているフレーズのテンポを変える度、
もう一度全音源を順番にフリーズ解除してフリーズしなおさなければならない。
出来ないことは無いけど、非常に時間が掛かるし、やる気もがっつり削がれる。
だから何年も放置することになったんだろう。

それでもこうして曲が完成したんだから、めでたく各トラックについて語っていこう。
(これのためにまたあの忌々しいほどに重いプロジェクトファイルを開けて内容を見ないとダメなのはちょっとキツイけど。
大丈夫だドンガリンゴP!あなたはもう乗り越えたのよ!)

◆ピアノ
RWBの編曲はピアノで考えたんだから、当然ピアノ中心の編曲になった。
テンポ変化も、基本的にピアノパートを作成しながら考えた。上述の通り、後で微調整することも多かったけど。

この柔らかくて甘いピアノの音色は、RolandのSuper Quartetという音源で、
低いベロシティで演奏するとこういう音が出るから、音量を上げれば完成です。
しかしこの音はミッドが厚すぎなのか、マスタリング段階で更に音圧上げようとすると音があっさり歪む。
これを解消するためにマルチバンドコンプレッサーでミッドを抑えたら、
逆に甘みが無くなって何の魅力も無いただのピアノになってしまうので、バランスが非常に難しい。
でも主役だから、時間かけて調整する価値は十二分にあった。

◆パッド
一番最初と一番最後だけ使った低音パッド。
最初からこの2箇所にしか使わないと決まってたので、フリーズせずにさっさと出力した。
おかげで何の音源で作ったかも忘れてしまった。
とにかくローが厚くて、ソロで聞いても環境によってはスピーカーが悲鳴を上げる。
そういう環境の視聴者にはここでお詫び申し上げます。私もだよ。

◆Ra組
EastWestのQuantum Leap Raという、民族風好き御用達の音源。
量も多様性も中途半端なセレクションなので、「それっぽい民族風」ではなく「特定の民族の音楽」が作りたいときは
ちゃんとした音源と併用する必要があるけど。
RWBでは主にイントロ部のバックとして、シェイカー、コラ、ギター、フレームドラム、ジャンベを使った。
ギターは何気にいい音色。

◆ストリングス
簡単にストリングスって書いても、実際には8パートもある。
RWBは結構長いので、ゆっくり重ねていくことを念頭に置いてある。
主にEastWestのQuantum Leap Symphonic Orchestraを使用するけど、
自分の持ってるバージョンでは殆ど最初からリバーブかかってる音色しかないので、
前に出したい場合はEdirol Orchestralなどの音源で補ってる。
結構重ねてるので、そのままだとボーカルが埋もれてしまうから、
EQで1200Hz辺りを切る他に、M/S処理でセンターを削ってある。いまいち効果無い気がするけど。

◆木管
木管はストリングスのような弦を擦る高音が無いので、
高音部のフルート・オーボエでも、主張しすぎずに雰囲気に華をもたらすことができる。
ボーカルの間に挟むのに最適です。
アトモスフィアさえ作ってくれれば前に出なくてもいいので、ミキシングもほぼ無調整で行ける。

◆ハープ
木管と同じく、間に挟む用のパート。
正直言ってこの曲にハープはちょっと華麗すぎたと思ったけど、
ストリングスを8パートも入れた時点で手遅れなので、元の理想である「素朴な吟遊詩人の歌」はこれで完全に諦めたのである。

◆金管
ストリングスがサビ1で全部登場したので、サビ2以降はブラスで更なる厚みを出すことになった。
元々は「そんなに大げさな曲にはしない」と考えていたのに、結局こうなってしまったことはちょっと悔しい。
聴いてる方には壮大に聴こえて悪くないかもしれないけど、この曲はブラス無しでなんとかしたかった。

◆ティンパニー・シンバル
両者とも演奏のバラエティーがそんなに無いので、
いくつかのサンプルを出力して、必要な場所にコピーするという形になった。

◆ヴィブラフォン・グロッケンシュピール
前者は甘みのある音を出す鉄琴、後者はオルゴールみたいな音を出す鉄琴、といえばわかるでしょう。

Q:わからない。
A:生きて。

両者とも、サビ以外の比較的静かなフレーズにしか使わないけど、夜の雰囲気をうまく醸してくれる。

◆ドラム
元々はみんなお馴染みXLN AudioのAddictive Drumsを使ってたけど、
FXpansionのBFD3がセール中だったので衝動買いしました。
ADと比べてすごく重いしクラッシュしやすいから、弄り回すのには不向きだけど、
既に完成したドラムトラックをそのままBFD3に置き換えてみたらいい感じになったのは幸運だった。
そもそもRWBという曲はそんなにドラムに依存しないので(サビ2はまったくドラム使わないし)、
ミキシングにもいつものようには悩まなかった。

◆ベース
なんか酒場みたいな雰囲気を目指してたので、低音部が既にいっぱいあるのにも拘らず、ウッドベースも入れました。
SpectrasonicのTrilianを使用した。EastWestとBFD3の次にメモリを喰う音源だった。
Trilianは低音がすごく優秀な音源なので、むしろ高音を出す工夫が必要です。
EQでミッドをめちゃくちゃ切って、5000Hz以上を8dBも上げました。

◆ギター
AvannaのイントロからいたRaのギターとは別に、サビ1から左に登場したコード弾きのギター。
なんかキラキラが足りないと感じたから加えてみた。
なので、コードが聞こえなくても、なんかギャンギャンしてるぞ!って感じたらOKです。

◆効果音
「水の音」「椅子が軋む音」「ページをめくる音」「ガラスの音」の4つがある。
「水」は川辺の森という設定からの音で、「ページ」と「椅子」は酒場のような場所で観客に唄うという設定からの音だから、
物語の中と外の二重構造が同時に存在していることになる。
そして「ガラス」は、一つの音でこの二重構造を象徴している。
最初にガランと鳴った時は、酒場の客たちが曲を聴きながら飲んでる、
もしくは歌い手が歌いだす前に一杯飲む、というイメージだったけど、
大サビで「Tapping my lantern pane」の直後に再びガランと鳴った時には、
「民俗学者の杖がカンテラのガラスに当たった音」になっている。
同時にタイトルである「鈴を持った放浪者」の意味へのヒントでもある。
なのでこの効果音は最大のネタバレと言っても過言ではないけど、
ほんの一瞬でしかも小さい音量だったので、普通は気付かないだろう。

・・・おっと、普通気付かないようなネタバレをブログ記事でさらっと言っちゃった。
そういう創作者の風上にも置けないヤツは、台風のド真ん中に置いてやればいいんだ。
というわけで、台風の中で晩ご飯を買いに出かけます。生きて帰れたらまた会おう!
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  1. 2015/09/28(月) 19:14:39|
  2. さくひん
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Kinra

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通称ドンガリンゴP。でも好きなものはリンゴじゃなくて、言語です。今は訳者として毎日いろんな言語と戯れてます。そして極たまに、曲を作ったりもします。
Twitter: lwanvonling

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