ドンガリンゴP (Kinra) の ひみつきち です。
かってに はいっても いいですけど。

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Avannaのための中国語調声メモ(1):喋る場合

どうも、最近の記事でできるだけ敬語を使うようにしてたけど、
なんかウンザリになってきたドンガリンゴPです。
というわけで悪いけど今回は昔の書き方で行きます。

この前の記事で、洛天依の濃厚な北京訛りを回避するために、
巡音ルカの2ヶ国語DBを利用して台湾訛りの中国語を調声する方法について少し紹介したんだけど、
実はその時、既にZERO-G社のAvanna+YAMAHAのVY1で中国語調声を一度行って、
『風中的名字』の時以上の成果を出していた。

そして3日前、ツイッターで鬼畜な天野P主催のイベント「トクロ・HANASU電話応答音声選手権」を、
みすふぃ(@Mistfea1)さんの作品を通して知ることになり、
面白半分(というか面白100%)で緊急参戦してみた。
その成果がこちら

これは、
①英語DBであるAvannaのみで
②1トラックのみで
③DAWでの切り取り処理無しに
④中国語と
⑤少しだけの台湾語と
⑥少しだけの客家語の
⑥歌ではなく喋り
を作成したものである。13秒の調声に、約4時間かけました。
セリフを掲示せずにplurk上の台湾人たちにも聞かせたんだけど、
聞き取れない部分は5文字程度でした。

動画説明文に載せてあるけど、一応ここにも参考用のDLリンクを貼っておこう。
電話っぽくした動画Ver.
ノーマライズのみ
VSQファイル

前回でも最初から言ったけど、そもそも日本の皆さんにとって中国語調声は使い道が無いし、
使うとしても、北京訛りを気にしないなら洛天依を使ったほうが簡単。
なので今回の調声メモは、最初は台湾人向けに中国語で書いたものです。
でも書いた後は、「これを日本語に翻訳するだけなら別にいいじゃん」って思ったので、
需要が無いことを承知に掲載することにしました。
前回と同じ、読んでいて面白いかもしれませんし、話のネタくらいにはできましょう。

そんじゃ説明はいりまーす

◆台本

喂您好,這支電話的主人現在不在,
而且他懶得自己錄答錄音,
有什麼事的話等嗶聲之後就可以說了,
謝謝,
多謝,
恁仔細。

(意訳)
もしもし、この番号の持ち主は現在留守中で、
しかも留守電メッセージに自分の声を録るのも億劫だったんです。
何か用件があったら「ピー」の後でどうぞ言ってくださいっと。
ありがとうございます
ありがとうございます(台湾語)
ありがとうございます(客家語)。

Avannaの無気力な声を逆手に取って、ダルそうな留守電メッセージにしたんです。
(悪い言い方にするとこうするしかなかったってこと)
中国語・台湾語・客家語で挨拶するのは、選挙演説とかによく見られる締め方ですが、
ここは単に「はいはい早く用件言え」ってニュアンスで使っちゃいましたw

◆加工

まず一番簡単なところから説明しよう。
今回の調整は、DYNを一切いじっていません。64一直線です。BRIの方は全部127にして、GENは全部24。
BREとCLEはデフォルトで0。大雑把です、はい。

エクスポートしてから、ノーマライズ処理を施して、DAWに読み込む。
ボーカロイドの声はDYNを調節しないと音量が極めて不安定なので、
コンプレッサーを掛けなければならない。
というわけで、ボーカル専用のRenaissance Voxを掛けました。スレッショルドは-16dBです。
次は電話っぽい効果。要するに、250Hz~4000Hz以外を全カットするんです。
今回は何も考えずに、Waves Q10の「Telephone」プリセットを使いました。
これでだいぶ応答メッセージっぽく聞こえるようになります。

◆調声

実際にVSQXをDLして開けてみた方が一番手っ取り早いんだけど、
それじゃ記事を書く意味がなくなるので、トラブルシューティングの要点をまとめてみた。

【1】ピッチの決め方:声調とアクセント
(前回音調って書いてたけどどうやら声調の方が正式用語です)

トークロイドなので、歌の時以上に、声調に気を遣わないといけないのです。
中国語の四声と軽声、および第三声の変化は理論だけならウィキペディア先生に聞けばいいのことですが、
ここはちょっと追記します。
①第一声は段位声調とのことだが、実際は語尾がちょっと落ちることが多い。細かいので気にしなくてもいいと思うけど。
②第三声は「半低→低→半高」で、「第三声が連続する場合に、最後の一つ以外は第二声に変化する」と説明されるが、実は前半の半低が省かれるということです。説明されていないのは、第三声が第三声以外に続く場合、逆に後半の半高が省かれること。つまり第三声は単独でない限り必ず変化するってことです。
③音程は、大体上記のウィキペディアに書いてある声調値準拠でいい。第一声の微妙に落ちるとこは2度でいい。文章が長い場合、重要じゃない部分は音程をもっと狭くしてもいい。逆に広くするとドラマチックになる。

中国語の発音を調べたいときは、グーグル翻訳先生に読み上げていただくのも手ですが、
いまテストしてみたところ、10%位の割合で声調を間違えるので、妄信してはいけません。

流暢な発音を求めるには試行錯誤しかないけど、今回の経験から、以下のことがわかった。

①PITまで駆使して声調を作る必要は無い。
 2つの音を繋げてポルタメント機能に任せればいい。
 たとえば第二声の「人」(ㄖㄣˊ[ren2])は、[Z V]低-[n]高の配置でOKです。

②中国語は、同じピッチを連続に出すことが好ましくない。
 普通の場合は、同じ声調を喋れば喋るほど、ピッチが低くなる。
 日本語も同様の気がしますが、どうでしょうかね。
 (ただし疑問文は高くなる)
 たとえば「電話」(ㄉㄧㄢˋ ㄏㄨㄚˋ[dian4 hua4])、
 二文字とも第四声なので、
 [dh i:]高-[e n]低 [h O:]高-[{]低という配置になるけど、
 今回ではC#3-B2 C3-A2になってる。
 もちろん、際限無く低くなるわけには行かない。
 GENによって適正な音域がある。今回(GEN=24)は、F2辺りが限界です。
 行き詰ったら同じピッチを出し続けることになるので、
 第一声、第二声など、高くなる声調を機にピッチをリセットしよう。
 もしチャンスが無かったら、PITを使って微妙な変化でも入れよう。いい味が出る。

③子音の方が大事。
 ここまで読んだらわかるかもしれないけど、
 中国語は声調があるけど、歌うように喋るって感じじゃないんです。(台湾語・客家語と違って)
 だから、短い助詞や代名詞なら、母音はハッキリ発音しなくてもOKです。文脈でわかるしね。
 こういう場合は、次の字のVELを下げて、その子音を優先することができます。
 ちょうど中国語の機能語は英語DBで調声しにくい母音ばかり(ㄜ[e]とかㄨ[u]とか)なので、
 短くしてごまかせるのもこのやり方の利点です。

【2】発音符号の選び方:子音と母音

①ㄐㄑㄒ(j q x)

これらの子音は英語に存在しないので、近似音を使うしかない。
VELをMAXにすれば、普段「ㄗㄘㄙ(z c s)」に使う[d z] [t s] [s]で代用できる。
これは、ㄐㄑㄒとㄗㄘㄙが相補分布になっているせいで、
リスナーが後の母音で子音を分別できるためである。
同じ理屈で「ㄓㄔㄕ(zh ch sh)」に使う[dZ] [tS] [S]も代用できそうだが、ひどい英語訛りになってしまう。
ちなみに、「ㄐ(j)」と「ㄓ(zh)」はそれぞれ[t s]と[tS]で代用できるけど、
VELを上げてアタックを短くしないと有気音の「ㄑ(q)」「ㄔ(ch)」っぽく聞こえる。

あと、これらの摩擦音は、なが~いアタックタイムを必要とする。
現在のボーカロイドでは、音が密集しすぎると挟まれた子音が消えてしまうので、
(例え[Sil]に挟まれてもです)
1トラックでやるなら、VELでアタックを短くして、音と音の間隔を開けるしかない。

②ㄣㄥ(n ng)

n・ngと書くけど、台湾訛りでは全部nに聞こえるので、[N]を一切使わなくていい。というか使わないほうがいい。

ちなみに、日本語のように、鼻音を単独の音に入れることをお勧めします。
前回は「中国語はとにかく1文字に1拍」って言ったけど、
更に「1文字に1音」にしたら、英語DBは鼻音を短くしすぎる傾向がある。
鼻音の長さで音の感じが全然違うので、コントロールの効くように独立させたほうがいいです。

③破裂音

前回にも言ったけど、中国語はほとんど濁音が無い。
なので、「ㄅ(b)」の場合、[b]でも[bh]でも[p]でもある程度通用する。
有気音の「ㄆ(p)」の方に聞こえさえしなければ、適当に選んでOK。

逆に、有気音を作る方がちょっと難しい。
DAWに取り込んでから、子音の部分を切り取って、母音との間隔を開けると、
有声開始時間が長くなるので、有気音に聞こえるけど、
今回はそういう処理無しなので、このチートなやり方(笑)は使いませんでした。

④ㄌ(l)

面倒くさい。英語DBには[l][l0]があるけど、どれもコントロールしづらい。
以前の調声で[d]で誤魔化したこともあるけど、実用性は低い。
「了」(ㄌㄜ˙[le])などの常用字に出会ったら覚悟してね。

⑤ㄏ(h)

やっぱり[h]しか無いけど、
コイツもアタックが長い子音なので、ㄐㄑㄒの説明に参照すること。

⑤母音まとめ

いままでのコツも全部DBによって差があるのですが、
下記のテーブルは更に、Avannaじゃないと通用しない可能性が高いので、
トラブルシューティング時の考え方の参考として読んでください。
※このテーブルは注音符号準拠で、ピンインは参照用です。
 たとえばピンインの「e」は場合によって違う音を指し示し、
 それぞれ注音の「ㄜ」と「ㄝ」に対応するので、
 「e」の対処法を知りたいときはどの「e」なのか確認してからにしなければならない。
注音ピンイン解決法
aぶっちゃけ「あ」だが、[Q]は深すぎるので[{]で。逆に口が開きすぎたと感じたら[Q {]で。
oぶっちゃけ「お」だが、注音のㄛは単独の時を除いて、どう表記しようが基本的にㄨㄛ(-uo)として発音するので、[w O:]でいい。ダメだったら[w Q]で。
e前回にも紹介したとおり、[V]・[@]・OPEの低い[Q]のいずれかで。短い音なら[e]でも通用することがある。今回の「這」(ㄓㄜˋ ze4)も[dZ e]でした。
eぶっちゃけ「え」だが、ㄧㄝ(ie)としてしか出現しない。短い[i]の後に[e]・[I]・[eI]。短すぎる音の場合、[I]しか使えない。[I]も[eI]も子音によって発音が色々変わるけど、どのみち前にはiがあるので関係無い。
aiぶっちゃけ「あい」だが、[aI]はほぼ使えないので[{]-[eI]で。
eiぶっちゃけ「えい」なので[eI]で。上のㄝ(e)と同じじゃん!ってツッコミはごもっともです。台湾訛りでは後の「い」が微妙なんです。正しく発音したいときは[i:]でも付けとこう。
aoぶっちゃけ「あお」なので、ここまで読んだらわかるだろうけど[aO]は使えない。[{]-[O:]にしよう。
ouやばい。[O:]-[@U]でも[@U]でも[O: u:]でも[V u:]でも微妙。時間かけてじっくり調整しよう。
ㄢㄣㄤㄥan en ang engㄚ(a)・ㄜ(e)と鼻音のコンボです。鼻音は全部[n]でいいって言ったけどㄢ(an)とㄤ(ang)も区別しないの?って思われるかもしれないけど、まあたしかに区別しない台湾人も多い・・・って言ったら無責任すぎるよね。実は[Q]が深すぎるところを逆手にとって、[Q n]と入力すると、後の鼻音がngに聞こえてちゃんとㄤ(ang)になります。
iぶっちゃけ「い」なので、長いなら素直に[i:]だが、短いなら[eI]の方がリラックスした音になる。前に子音がない場合、[j]や[?]を入れて、前の音にくっ付かないようにする必要がある。[j]はちょっと英語訛りかも。
uㄡ(ou)以上に絶望的。[u:]はおかしいし、[U]は全然ダメ。[@U]-[u:]や[@U]-[U]も試したけど、やっぱり微妙。一番絶望的なのは、日本語DBで補助しようとしても、「う」[M]ではどうにもならないこと。プライドを捨てて洛天依に頼むか。
yu「ゆい」が合体したような音で、今回は使わなかったが、[u: I]でやってみたことがある。良くなかった。超余談だがフルメタTSRのゲイツさん(CV:大塚芳忠)の「玉」の発音が意外と上手い。それ以外の中国語は聞けたものじゃなかったけど。
ㄧㄨㄩ+他の母音i u yu ~ピンインだと何のことかわかりにくいかもしれないけど、とにかく二重母音のことです。わたり音の[j]・[w]は使えるが、その前に子音がある場合、わたり音+母音よりも母音2つにした方がいい。1つ目は一瞬だけでいい。今回、ㄨㄚ(-ua)は[u:]-[{]の代わりに[O:]-[{]で、ㄧㄤ(-iang)は[i:]-[Q n]の代わりに[e]-[Q n]を使って、もっとリラックスした発音にした。二重母音の発音に例外が多いので、グーグル翻訳先生に相談しよう。これくらいなら信頼できると思う。
(空韻)i空韻というのはㄗㄘㄙㄓㄔㄕㄖが単独に書かれる時省略された母音、もしくはzi ci si zhi chi shi ri)のiのこと。[I]・[U]が使える。普通は[I]を使うけど、一応2つとも試して効果を確認しよう。[N]を打って、MIX段階でEQで鼻音感を切り捨てちゃうというチート技もあるんだが、[N]の音量は死ぬほど小さいのでDYNとかゲインとかの調整がめんどくさい。
er台湾訛りの特徴として、この反り舌音は北京訛りほど濃くない。それでも[@r]を普通に使えばいいんですが、ㄜ(e)だと思って入力してちょっとだけ[@r]をつけるのもいい。


⑥おまけ:台湾語と客家語の「ありがとう」

台湾語と客家語は、中国語とはまったく違う言語だけど、
今回はそれぞれ一言しかなかったので、難しいところは無かった。
台湾語の「多謝」はㄉㄜ ㄒㄧㄚ(de1 xia1)だと思って、
客家語の「恁仔細」はㄢˇ ㄗˇ ㄙㄝ(an zi se)だと思えば調声できる。
(中国語にㄙㄝ[se]という組み合わせは無いけど)

ホントはありがとう以外客家語喋れないんですがw


いま思い出せるのはこれだけです。
ちなみに、留守電メッセージ最後の「ピー」は、
高い[u:]をDYNで頭とシッポを切って作ったんです。
では、この記事はここで終わります、コメントは「ピー」のあとでお願いします。

ピーーーーーー
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  1. 2013/04/09(火) 04:55:45|
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通称ドンガリンゴP。でも好きなものはリンゴじゃなくて、言語です。今は訳者として毎日いろんな言語と戯れてます。そして極たまに、曲を作ったりもします。
Twitter: lwanvonling

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