ドンガリンゴP (Kinra) の ひみつきち です。
かってに はいっても いいですけど。

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巡音ルカのための中国語調声メモ(1):う!

どうも、2012年を振り返って見たら1曲しか作らなかったドンガリンゴPです。
振り返って見るばかりのドンガリンゴPです。
なぜかというと、振り返って見なければ、この調声メモが書けませんからね。
ごめん、強引な始まり方であることはわかります。でも始まっちゃいますよ。

◆例の曲
Exampleの方の「例」です。
今回の調声メモは、この『風中的名字』という作品の調声で得た経験から書き起こしたものです。

かなり昔の作品なので、アレンジがショボいけど、
まあ、1:00からのボーカルだけに注目してください。やっぱりショボいか。

この調声は、「訛ってるけど、中国語ネイティブなら字幕なしに聞き取れる程度」です。
日本語と英語DBの併用で、日本語のみのボーカロイドより多くのネックを突破できる巡音ルカですが、
それでもこの程度が限界みたい。私自身には、ちょっとシンガポール訛りの中国語に聞こえます。

◆「聞き取れる」を狙う
これは具体的なテクではありませんが、大事な「心構え」だと考えています。
出せない音は、無理に出させようとしても、メリットはない。
局地的な発音に拘るよりも、音と音の差異を作って、
異なるべき音素をハッキリさせるほうが効果的。
たとえば、舌を噛んじゃったときは、どの母音を言っても「あ」に聞こえますが、
もっと長い文を言えば、どの音が「お」でどの音が「い」か、判断できるでしょう。
腹話術師も、こうやって唇を動かせないままいろんな言葉を喋ってるんです・・・たぶん。
アイウエオを正確に発音できなくても、
「母音が5つある」と分からせれば、聞き手が勝手にこっちの発音に慣れてくれるはずです。

さて、具体的ではないことも散々書いてきたし、そろそろ具体的なコツを紹介しましょうか。

◆ウ段の使い方
標準語の「う」(/ɯ/)はかなり特殊な母音で、中国語や英語の /u/ の音とは違います。
日本人が中国語を喋って速攻バレたら大体こいつのせい。
しかもルカは英語DBの [u:] や [U] でも「う」みたいな発音をするから、
二つのDBの力を合わせても、この難点は克服できません。
一方、中国語には /ɨ/ という、日本語に存在しない音がありますが、
こっちは逆にルカのウ段で代用できる場合がある。
単独で聴くと、「つ」[ts M]は「ci」に、「す」[s M]は「si」に似てます。
(※ /ɨ/ と普通の /i/ は両方同じ子音と組むことが無いので、ピンインでは両方 i と表記する)
麻雀の「イースーチー」の「スー」(四)はまさにこの si /sɨ/ の音で、
英語の女性名スー(Sue)の場合は /su/ です。

[ɨ]を含める組み合わせは、zhi chi shi ri zi ci siの7種類です。
ci と si は前述通りで、
zi は ci の無気音版ですが、普通に「つ」を歌わせたら有気音になってしまうので「ず」[z M]で代用しましょう。
厄介なのは、それ以外の4つの組み合わせです。
ri は /ʐ/ という大変珍しい子音が含まれていますし、
(ちなみに前回「中国語に清濁の区別はない」って言いましたが、
よく調べたらこの音と /ʂ/ だけは「し」と「じ」みたいな清濁関係でした。)
zhi、chi、shiは、「ジュ」[dZ M]「チュ」[tS M]「シュ」[S M]と歌わせたら
「ユ」のわたり音が自動的に入ってしまいます。

そこで、ルカの英語DBを導入しましょう。
英語ルカには @ という、[ə] のつもりのはずだがなぜかシッポに巻き舌が入ってる母音があります。
中国語の /ɨ/ と /ə/ を足して2で割ったような音で、
単独ならどっちの代役にもならない音ですが、
[dZ] [tS] [S] の後につけると、それぞれ zhi chi shi に近い音になります。
厄介な r- も、[Z] (/ʒ/、genreのg-の音)でかなり再現できると思います。
(この曲は運良く ri の音が無かったけど、「人」ren は [Z e n] で再現しました)

更にDYNでシッポを切り捨てて、日本語ルカの[M]のシッポとクロスフェードすると、
いらない巻き舌を消しつつ、もっと /ɨ/ っぽい音にできます。

こういう2トラック工法はいろんなところで使いますので、
中国語調声するときは最初から2トラック用意しておけば便利です。
次回の記事で、2トラックで出来ることについてもっと書きたいと思います。乞うご期待。
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  1. 2013/01/07(月) 23:02:43|
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通称ドンガリンゴP。でも好きなものはリンゴじゃなくて、言語です。今は訳者として毎日いろんな言語と戯れてます。そして極たまに、曲を作ったりもします。
Twitter: lwanvonling

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